――失敗と人との出会いから学んだ、経営者として大切なこと

30年前、すべてを抱え込んでいた

これまでの経営を振り返ってみると、「一番苦しかった時期」と聞かれても、実はそんなに多くなかったように思います。

ただ、30年くらい前には、改装が重なり、人手不足、資金不足と、いろいろなことが重なった時期がありました。

当時、一番の壁だったのは、何でも自分で抱え込んでいたこと。

自分では気づかないうちに、ストレスを抱えていたんだと思います。

「自分がやらなければ」と思ってしまう。

人に頼るより、自分でやったほうが早い。

そんな気持ちがあったのかもしれません。

でも、そこから少しずつ考え方が変わっていきました。

人に頼ってみたら、みんなが協力してくれた

人手不足を乗り越えるために、休日を作ったり、人に頼ったりするようになりました。

そして、実際に頼ってみて気づいたことがあります。

「みんなが協力してくれるんだ」

ということです。

それまでは、あまり人に相談することもなく、思ったら行動するというタイプでした。

でも、その行動の中で、たくさんの人に出会いました。

たくさんの人に会い、いろんな話を聞き、いろんな体験をする。

そうしているうちに、自分のことだけではなく、

「どうすれば良くなるか」
「どうすれば喜んでもらえるか」

を考えるようになっていきました。

サーティワンで広がった、人とのつながり

サーティワンアイスクリームのフランチャイズ業に関わったことも、大きな経験でした。

たくさんのスタッフ、たくさんの経営者の方とコミュニケーションを取ることができた。

私は、そうした人とのコミュニケーションを楽しむことができました。

その後は、蕎麦屋の運営をしながら、イベントの企画にも関わるようになりました。

人間関係を通して、

「何かをされる前に、何でもしてしまう、したくなる」

そんなふうに動いているうちに、人脈がどんどん広がっていったように思います。

経営者として、最初に大きく失敗したこと

もちろん、これまでの経営がすべて順調だったわけではありません。

経営者として最初に大きく失敗したと感じているのは、スタッフにし過ぎたことです。

いろいろなことをしてあげる。

困っていたら助ける。

できる限りのことをする。

もちろん、人を大切にすることは大事です。

ただ、与えることばかりになってしまうと、それが当たり前になってしまう。

今振り返ると、もっと厳しい面も必要だったと思います。

「してあげる」だけでは、人を育てることにはならない。

その経験は、今の経営にもつながっています。

「コミュニケーション」が人を動かす

今は、若い子たちと接することが多くなりました。

その中で、してあげた分、仕事も言いやすくなる。

人を動かすためには、まず相手との関係をつくることが大切だと感じています。

店長には、

「まずコミュニケーション。とにかくミーティングをして、自分を理解してもらう」

と伝えています。

自分のことを理解してもらってから、いろいろ頼む。

そうすると、期待以上に動いてくれることがあります。

仕事をお願いする前に、まず人として向き合う。

それが、人を動かすために大切なことだと思っています。

何でも信じたからこそ、得られたもの

これまで、人を何でも信じて、たくさん裏切られた経験もあります。

でも、その一方で、信頼されている人からは、裏切られた以上にしてもらえていると思います。

だから、人を信じることをやめようとは思いません。

人付き合いに疲れることもあります。

でも、それがちゃんとつながっていく。

悩んだときには、想像以上に助けてくれる人がいる。

それを、これまでの経験から実感しています。

これからの経営で大切にしたいこと

これから、もっと経営は大変になっていくと思います。

人手不足、物価高騰、税金。

悩みは尽きません。

だからこそ、人とのつながりを大事にすること。

そして、いろんなことにチャレンジして、興味を持って、自分が楽しむこと。

それが大事だと思っています。

一人ですべてを抱え込むのではなく、周りの人とつながりながら進んでいく。

それが、これまでの経験から学んだことです。

経営には、正解が一つあるわけではありません。

でも、人との出会いや経験の中には、必ず次につながるものがある。

これからも人とのつながりを大切にしながら、前へ進んでいきたいと思っています。