――ReRITが挑んだインド進出、ムンバイで見た成長市場のリアル

はじめに

まだ日本でちゃんと発売もしとらんのに、「どうせなら世界も見てみようや」ということで海外展開を考え始めた。

きっかけは知り合いから、「インド政府主催のSMEフォーラムいうビジネスマッチングがあるけぇ出てみんか?」と言われたことじゃった。

正直、インドなんて行ったこともないし、最初は軽い気持ちじゃったんじゃけど、これがまぁ大変じゃった。


出発前から始まった“インドクオリティー”

まずスケジュールがコロコロ変わる。

そもそもインドはビザが必要じゃいうことすら、わしは直前まで知らんかった。

普通こういう海外イベントいうたら、半年前にはホテルも予定も全部決まっとるイメージじゃろ?

ところがインドは違った。

なんと出発1週間前になっても詳細が決まらん。

「ほんまにやるんか?」

と思うレベルじゃった。

これがインドクオリティーの洗礼なんかもしれん。

ただ、インドは今バブルじゃ言われとる。

人口も多いし、これから世界一の成長市場になる可能性もある。

そんな話を聞いとったけぇ、思い切って参加することにした。


プレゼン時間が半分になった日

会場ではプレゼンをする予定じゃったけぇ、かなり気合を入れて準備した。

プレゼン資料も作り込んだし、動画も制作した。

もちろんお金も時間もかけた。

ところがじゃ。

最初は30分ある言われとったプレゼン時間が、直前になって15分になった。

「いやいや、それ先に言うてくれや!」

という感じじゃった。

30分用に組んだ構成を全部作り直しじゃ。

あれはなかなか心が折れそうじゃった。


ムンバイで見たインドの現実

開催地はムンバイ。

アメリカで言うたらハリウッドみたいな場所じゃと聞いとった。

じゃけぇ「今のインドはどれほど発展しとるんじゃろう」と楽しみにしながら現地入りした。

泊まったホテルはさすが五つ星。

何の不自由もない。

じゃけど一歩外へ出たら、そこはちゃんとインドじゃった。

クラクションは四六時中鳴りっぱなし。

道路は砂ぼこりが舞いよる。

車も人も犬も、みんな自由じゃ。

ムンバイみたいな大都会でも、マンションの家賃は月7,000円くらいらしい。

日本と比べたら10分の1くらいじゃ。

物価全体でも4分の1から3分の1くらい。

まだまだ発展途上な部分も多いし、格差もかなり感じた。


「日本から来たアパレル会社」という誤解

今回の参加は、英語が話せて海外経験も豊富なビジネスパートナーと二人で行った。

久しぶりに緊張したが、プレゼン自体は成功じゃったと思う。

終わったあとに、

「お前のプレゼン良かったぞ!」

と言ってくれるインド人もおった。

それは素直に嬉しかった。

じゃけど思ったより聴衆が少なかった。

さらに困ったのが、来場者のほとんどがうちの会社を理解しとらんことじゃった。

プレゼンを聞いた人は分かってくれる。

じゃけど、それ以外の人は

「日本から来たアパレル会社」

くらいの認識しかない。

じゃけぇ商談になると、

「うちの綿製品どうですか!」

「このTシャツ安く作れます!」

「靴下どうですか!」

と、全力で売り込まれる。

もちろんインドの製造力は魅力的じゃ。

安くて品質の良いTシャツや靴下が作れるなら、それはそれで価値がある。

じゃけど、こっちはただのアパレル会社じゃない。

ReRITの考え方や、コンディショニングウェアとしての価値を理解してもらわんと話にならん。

そこを一から説明せんといけんかった。


インドで感じた“成功者の共通点”

中にはキラキラした魚の鱗のような手作り財布を持ってくる人もおれば、スパイスを売り込んでくる人もおる。

「いや、うちはスパイス屋じゃないんよ!」

と心の中で何回もツッコんだ。

ただ、インドへ行って一番感じたことがある。

それは、

お金持ちは世界中どこへ行ってもお金持ちの顔をしとる

ということじゃ。

不思議なもんで、人相や雰囲気に余裕がある。

話し方も違う。

立ち振る舞いも違う。

やっぱり成功しとる人には共通点があるんじゃろう。

せっかく組むなら、そういう人たちと組みたい。

そして何より、インド国内にしっかり販路を持っとる会社と組みたいと思った。

結果的に、そういう会社から5社ほど具体的な提案をもらった。

今でもWhatsAppでやり取りを続けとる。

この先どうなるかはまだ分からん。

じゃけど、日本で生まれたReRITが、もしかしたらインドから世界へ広がっていくかもしれん。

そう信じて、ムンバイでの2日間はおわった。