― 合気道・古武術から学んだ「一次情報」の価値

前回、
合気道の達人 塩田剛三をテレビで観た衝撃の話を書いた。

あのとき感じた
「見えん力」の存在。

それがきっかけで、
わしの中にひとつの興味が芽生えた。

「これ、競輪に活かせるんじゃないか?」


そう思うてから、
いろんな合気道の達人や、
古武術の達人と言われとる人たちに、
実際に会いに行った。

本を読むだけじゃ分からん。
動画を観るだけでも分からん。

体験せんと分からん世界がある。

そう思ったけぇじゃ。


今の時代、
いわゆる「知識」いうもんは、
どこでも手に入る。

ChatGPTに聞いてもええし、
Google先生に聞いても、
大体の答えは出てくる。

調べりゃ出てくる。
答えだけなら、いくらでも転がっとる。


じゃけどな、
今ほんまに価値がある情報いうんは、

自分で体験したこと。

いわゆる
一次情報じゃと思う。


合気道の「合気」という言葉も、
まさにそれなんよ。

合気道の開祖、植芝盛平も、
「これが合気じゃ」と
はっきり定義しとらん。


合気とは
「高天原に立つこと」じゃとか、

「合気とは結びである」とか。

言葉だけ聞くと、
正直かなりふわっとしとる。

分かったような、
分からんような話じゃ。


じゃけどな、

実際に達人のそばにおって
動きを見て、
触れて、
投げられて、
崩されてみると、

少しずつ分かってくる。

「あぁ、これは説明するもんじゃなくて
感じるもんなんじゃな」

って。


体験した上で、
自分なりに
古武術と合気道の違いを言葉にするなら、
こんな感じになる。


まず、古武術。

古武術いうんは、
そもそもが古来の戦闘術。

じゃけぇ、
かなり実戦的な匂いがある。

特に感じたんは、

身体操作そのものに
めちゃくちゃ特化しとる。

  • 重さの乗せ方
  • 力の伝え方
  • 支点の作り方

そういうもんが
かなりはっきりしとる。


じゃけぇ、
スポーツに応用しよう思うたときも
古武術はやりやすい。

ただし、
対人というより
対物の世界じゃな。

例えば

  • 自転車で、どうペダルに力を伝えるか
  • ゴルフで、どうクラブの先に体重を乗せるか
  • バーベルやダンベルを、どう扱うか

そういう
モノに力を伝える操作は、

古武術から学べることが
ほんまに多い。


それと対比して、合気道。

合気道はどっちかいうたら
対人に作用する技術が多い。

  • 相手の意識をどうずらすか
  • 起こりをどう消すか
  • どうやって無力化するか

そういう世界じゃ。


正直なところ、

合気道の操作を覚えたから言うて

  • ダンベルが急に軽くなる
  • 筋力が一気につく

そういうもんではない。

フィジカル強化というより、

意識と関係性の操作に近い。


とはいえ、
合気道も元々は武術。

奥は、めちゃくちゃ深い。

「スポーツに使えん」
いうわけじゃなくて、

使うには再構築が必要なんよ。


合気いうんはな、
マジックみたいなもんで、

  • これが合気じゃ
  • これをやったら合気じゃ

いう
明確な定義がない。

開けてみんと分からん
ブラックボックスの塊みたいな世界じゃ。

しかも師匠も
そう簡単には
タネ明かしをしてくれん。


じゃけぇ、
これをスポーツに活かそう思うたら、

  1. よく観る
  2. ギミックを盗む
  3. 自分の身体で体得する
  4. 応用方法を考える
  5. もう一回組み直す

この工程が必要になる。


正直、
これをやろうとする人は少ない。

めんどくさいし、
時間もかかるし、
すぐ結果も出ん。

じゃけぇ
発展しとらんのも
無理はない。


ただ最近は、

マジックの世界もそうじゃけど、

  • タネ明かし
  • 達人技
  • 解説動画

YouTubeで
いくらでも観られる時代になった。


そこでわしも、

いろんな先生に会いに行って
教えてもろうたり、
ヒントをもろうたりして、

それを
競輪に活かせる形
少しずつ落とし込んでいった。


その延長でやったんが
沖本塾じゃ。

仕組みはシンプル。

  • 参加費:1000円
  • 集まったお金は旅費にする
  • その旅費で達人に会いに行く
  • 学んだことを、みんなにシェアする

そんな循環を作った。


1000円ずつ出し合うて、
みんなで知見を共有する。

それで
広島の競輪選手全体が
少しでも強うなったら面白い

そんな発想じゃった。


結果的にな、

競輪グランプリを獲る選手も
広島から出てきた。

もちろん、
全部がそれのおかげとは言わん。

じゃけど

  • 身体づくり
  • 身体操作
  • 感覚のアップデート

そのヒントには
確実になった思うとる。


古武術も、合気道も、
答えをくれるもんじゃない。

くれるんは、

考える材料と
試すきっかけ。

それをどう料理するかは、
結局、自分次第。

じゃけぇ、
おもろいんよな。


ちなみに
ChatGPTに聞くと、

合気道は
「調和して制する道」

古武術は
「実戦で生き残るための技術体系」

そういう説明になるらしい。


まあ、
もうちょっとマニアックな話はいくらでもできるんじゃけど、

身体操作の話は
今日はこれくらいにしとくわ。