――“設計型伴走”で事業を動かす経営者の思考プロセス
第1章|ノウハウの本質
成功の裏側にある“判断のプロセス”
私がこれまでの仕事を通じて強く感じているのは、経営や事業の現場で本当に役立つ情報は、成功事例そのものではなく、その裏側にある“判断のプロセス”だということです。
売上が伸びた理由。補助金が採択された理由。
それらは確かに分かりやすい成果です。
しかし、その前にどんな迷いがあり、どんな選択をしたのか。
そこにこそ、次に挑戦する人にとってのヒントが詰まっていると感じています。
結果は真似できても、思考の軸は簡単には真似できません。
だからこそ私は、結果よりも「その前」を語ることを大切にしています。
なぜ「結果」だけでは再現できないのか
例えば、「SNSで成果が出ました」という話は一見分かりやすい成功事例です。
しかし、投稿内容や頻度をそのまま真似しても、同じ結果が出るとは限りません。
なぜなら、その会社が発信に至るまでには、必ず葛藤や迷いがあるからです。
「そもそも発信する意味が分からない」
「続けられる自信がない」
「自社の強みが言語化できない」
こうした本音を乗り越えた上での発信でなければ、共感は生まれません。
ノウハウとは、手順ではなく思考の積み重ね。
そこに向き合わない限り、再現性は生まれないのです。
SNS支援で見えた“本音の壁”
ある企業の補助金を活用したSNS施策支援に携わったときのことです。
表面的には、「補助金を使ってSNSを始める」というシンプルな案件でした。
しかし実際には、その前段階に大きな壁がありました。
「うちが発信して意味があるのか分からない」
「続けられなかったらどうしよう」
その経営者は、率直にそう話してくれました。
私は、いきなり運用方法や投稿頻度の話をすることはしませんでした。
代わりに問いかけたのは、たった一つ。
「この会社は、誰に、何を伝えたいですか?」
その問いに向き合う時間が、最も重要でした。
運用より先に言語化するべきもの
話し合いを重ねる中で見えてきたのは、派手なマーケティング戦略ではありませんでした。
「地域で信頼される存在でありたい」
「自分たちの仕事の誠実さを知ってほしい」
そんなシンプルな想いでした。
そこで選んだのは、広告的な投稿ではなく、日々の仕事や考え方を丁寧に伝える発信です。
劇的なバズはありませんでしたが、少しずつ共感する人が増えていきました。
問い合わせも、急増ではなく着実な増加。
何より、「発信が楽しい」と言ってもらえたことが印象的でした。
ノウハウは魔法ではありません。
言語化された想いの延長線上にあるものです。
第2章|営業の本質を問い直す
成約率よりも先に問うべきこと
営業代行の現場でも、同じことが言えます。
成約率を上げるテクニックよりも重要なのは、
「この商品やサービスを、本当に勧めたいと思えているか」という問いです。
違和感を抱えたまま数字だけを追っても、長続きはしません。
提案の言葉はどこか空虚になり、相手にも伝わります。
私は常に、売る前に“納得できる理由”を見つけることを大切にしてきました。
納得できない営業は続かない
かつて、提案数を増やすことに集中していた時期がありました。
月20件以上の商談をこなし、資料も作り込みました。
しかし、成約率は3割程度で頭打ち。
努力に対して成果が比例しない状況に、疑問を感じ始めました。
振り返ると、原因は明確でした。
「売る側の論理」で話していたのです。
本当に相手の未来を前に進める提案だったのか。
そこへの自問が足りませんでした。
“売る”前に見つける理由
そこで私はやり方を変えました。
最初の打ち合わせでは、サービス説明をほとんどしません。
代わりに必ず聞くのは、
「今、何が一番困っていますか?」
という問いです。
そこから30分以上は、相手の話を聞く。
提案は急ぎません。
商談後には、A4一枚の簡易設計書を送ります。
・現状の課題整理
・優先順位
・今月やるべき3つの行動
この“無料の設計”が、信頼を生みました。
売らない営業は、遠回りに見えて、最短距離でした。
お問い合わせ:0106qawsedrf@gmail.com




