——「安くて、強くて、美しく長く住める家」を追求する建築家の哲学

① 建築家としての原点──父の工務店に戻った日から物語が始まった

 伊豆倉一史氏が家づくりの世界に飛び込んだのは、父の経営する工務店に入社したことがきっかけだ。それまで大手ハウスメーカーや住宅ディベロッパーで数多くの施工管理を経験し、現場を知り尽くした技術者としてキャリアを積んできた。30年以上にわたる現場経験は、細かな施工の癖から職人の技、材料の特性まで「建築のリアル」を身体で理解している貴重な財産となった。父の工務店に戻るとき、彼の胸中には「もっと住む人のためになる家をつくりたい」という強い想いが芽生えた。そこから彼は、一級建築士としての知識に“現場での経験値”を掛け合わせ、「本当に長く住める家とは何か?」を深く追求していくことになる。設計だけでなく、積算、構造計算、施工管理、確認申請…家づくりの全てを理解した建築家は珍しい。その希少性こそが、株式会社Liberのすべての品質の源となっている。


② “品質と性能は、コストをかけずとも実現できる”という信念

 伊豆倉氏が一貫して語る哲学。それは「高いコストをかければ良い家ができるわけではない」という真実だ。家は人生最大の買い物。しかし日本の住宅業界では「広告費」「人件費」「中間マージン」といった、住む人には関係のないコストが価格に上乗せされてしまう。彼はこうした“無駄”をすべて排除し、「本質的な品質にだけ投資する家づくり」を実現している。設計から施工、管理までワンストップで行うため、中間業者を通さずコストを削減できる。さらに、不要な廊下を省き、間取りの無駄をなくす設計手法により、通常より2~3坪小さく建てられるケースもある。「小さくても広く感じる」。これは高度な設計力と経験があるからこそ可能な家づくりだ。結果として、ローコストメーカーより5%安い価格帯で“高品質な家”を提供できる。これこそがLiberの大きな強みであり、伊豆倉氏の価値観そのものだ。


③ “やらなくてもいいことを、あえてやる”という家づくりの姿勢

 彼が口にする印象的な言葉がある。「やらなくてもいいことを、あえてやる。それが長く健康に住める家をつくる」。家は建てた瞬間が完成ではなく、そこから何十年と続く暮らしが本番だ。だからこそ、Liberでは無料点検を徹底し、住み始めてからのメンテナンスも積極的にサポートしている。さらに、万が一不具合が生じた場合、その経験は必ず次の家づくりに活かす。こうした姿勢は「家のことを誰よりも理解してほしい」という想いの表れだ。他社で建てた家の相談を受けることも多く、伊豆倉氏は快く構造や使い方を説明し、建物本来の性能を引き出す使い方まで丁寧に伝えている。家を売るのではなく「住まいを育てるパートナーでありたい」。その真伨な想いが、口コミでの依頼増加につながっているのだ。


④ 設計力の違いは“お客様ファースト”で決まる

 数多くの建築士の中でも、伊豆倉氏の設計には独自の強みがある。それは「お客様ファースト」を徹底していることだ。業界では、無資格の営業マンが設計するケースも少なくない。しかし彼は“一級建築士としての論理”と“現場を知る施工管理者としての視点”を持ち合わせているため、設計の質が圧倒的に高い。設計士が陥りがちな罠は「作りやすいデザインに走る」こと。しかし彼は違う。“住む人が求めている生活”に合わせ、土地の特徴、季節ごとの風向き、陽の入り方、周辺環境まで細かく読み解いた上でプランをつくる。例えば窓ひとつでも、気象庁の風向データを基に配置を決め、夏は涼しく冬は温かく過ごせるよう設計していく。この徹底した姿勢こそが、伊豆倉氏の設計力を唯一無二のものにしている。


⑤ 気象データを読み解く“科学的な家づくり”

 伊豆倉氏の設計は「感覚」ではなく「科学」に基づいている。日本の風向きは、実は季節ごとにほとんど一定だということを、多くの一般消費者は知らない。夏は南風、冬は北風が主流となる地域が多く、この規則性は気象庁のデータで明確に確認できる。Liberではこうしたデータをすべて調べ、風の通り道を生かした窓の数や位置を決定している。「窓はたくさんあれば良いわけではない。場所を間違えれば、夏は暑く冬は寒い家になる」。この言葉が示すように、窓の配置ひとつで家の快適性は劇的に変わる。さらに、陽の入り方を計算し、夏の暑さを避け冬は暖かい家づくりを設計段階で実行する。こうして、暮らしの“快適さ”を科学的に導き出しているのだ。“住む人が一年中心地よい家をつくる”。それがLiberの設計哲学である。


⑥ 耐震・構造への圧倒的こだわり──200棟の経験値が生む精度

 Liberの家は“耐震性の高さ”でも知られている。伊豆倉氏は、柱の直下率を毎回計算し、構造的に無理のない配置を徹底している。構造計算を行える環境が整っており、構造建築士とも常に情報共有しながら「さらに丈夫な家」を追求。日本は地震大国であり、耐震性は命に関わる要素だ。しかし、意外にも住宅業界では「なんとなく設計している」ケースが少なくない。伊豆倉氏は、そこに強い危機感を持っている。200棟以上の住宅を手がけてきた経験から、“家が壊れる理由”を知っているからだ。「見えない部分こそ、最も重要」。柱の位置、梁の掛かり方、荷重の流れ、金物の選定…どこが欠けても強さは成立しない。この徹底した姿勢は、住む人の命と暮らしを守るための揺るぎない信念だ。